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スコット シューマン氏にサインをいただきました
えー、Scott Schuman (スコット シューマン)氏でございます。彼は写真家であり、世界的に有名なThe Sartorialist(ザ・サルトリアリスト@thesartorialist)を運営するファッションブロガーであります。2年ほど前にファッション関係の写真を検索していたら彼のブログを発見し、参考となる写真を見ておりました。着用する服の組み合わせは実際にやってみて確認するのは煩雑な作業となるので、ファッション雑誌やネット上にある写真を参考とすることが多くなります。
ブログを見ていたらあまりの写真の量に嫌気がさしてきまして、面倒なので彼が出版した本をアマゾンで注文しました。内容はストリート スナップで、アメリカ・イタリア・フランス・イギリスなどの各地で撮影したファッションに長けている人物の写真集でございます。すべてが素人と言うわけでは無く、中にはファッション界の有名人も混じっていたりします。
さて、去年の夏のことですがこのScott Schuman氏が日本に撮影に来ていると言う情報を発見しました。さらに調べてみると都内に出没して日本人のストリート スナップを撮りますと。私も暇だったので念のためお洒落をして(あくまで念のためです)、彼が出没すると言う中央区に出かけました。時刻はお昼すぎだったと思います。地下鉄の駅から出ると当たり前の猛暑日でした。こんなに暑いとお洒落をした服(あくまで念のためです)が汗だくになってしまうので、近くのエクセシオールに入って涼みながらアイスコーヒーを飲むことにしました。
ガラス越しに通りを見渡してみますと、お昼時ということもあり人通りが激しくなっています。どうせ中央区とは言え銀座でも無いこんなへんぴな場所で白人を探すのは簡単だと高をくくっていた私の考えは外れました。5分に1人は目の前を白人が通り過ぎます。しかも出没範囲は私のいる場所から直径800メートルほどです。さらに私は彼の顔しかわかりません。
こんな暑い中ウロウロ歩きまわって見知らぬ人を探すなど頭の悪い大人丸出しでございます。顔しかわからないアメリカから来た白人なんか探せるわけがありません。そこで私はこの場所の近くに住んでいる知り合いの娘さんの高校生に電話をかけることにしました。彼女には以前家庭教師をしたことがあります。この夏休み中の彼女を呼び出して私の代わりに走り回っていただき、私はアイスコーヒーを飲みながら報告を待とうと言う算段です。どうせ彼女はアイスクリームを死ぬほど食べさせればホイホイ言うことを聞くはずです。それにそろそろ世間の厳しさを教えてあげる時期でもありました。
「……あのね、そんな広い場所でわけのわからない白人なんかどうやって探すわけ?お昼時だからどうせ人通りは多いし、しかも大通りにいるとは限らないじゃん。さらにこんな暑い中探せと?私が汗だくになっちゃうじゃない」
「おっしゃるとおりでございます」
「それに今日は友だちと遊ぶ約束があるからダメ。じゃあね、バイバイ」
「じゃあまたね……」
私は電話を切ると席に戻って荷物を持って支払いを済まして通りに出ました。
外は店に入った時よりさらに暑くなっていました。
あてもなく日陰を選んでウロウロ歩きまわりましたが、さっぱり手がかりはつかめません。もう諦めて帰ろうとしたところ、偶然大通りでテレビカメラらしき物を持った集団が車から降りてきました。そして集団の中に白人らしき人が見えました。まさかと思い彼の手を見ると一眼レフらしきカメラを持っています。こりゃ本人だと確信して近づいて話しかけるとご本人でした。すぐさまバッグから彼の本を出してサインしていただきました。どうやら昼食を昼食を取りに来られていたようで、サインをし終わると蕎麦屋に入って行かれました。
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経歴:FerrariやRolls-Royceなどの高級輸入車の整備解説書・取扱説明書の翻訳者を経て、 政治家・芸能人・弁護士などのパーソナル スタイリングを担当。1966年生まれ。【言語:TOEIC840・初級イタリア語】
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