50代男性でも低回数の自重トレーニングのみで筋肉量は維持できる


私は40代前半の頃にベンチプレス100kgを挙げていた時期がありました(体重67kg)。そして胸筋を痛めたり、100kgの目標を達成したことで重りを使ったトレーニングは止めて自重トレーニングに移行しました。

最初に始めたのはマッスルアップという鉄棒を使った動きで、およそ3年で達成することができました。これは運動未経験者にとっては難しい動作で負荷も高く、途中で3回ほど肩を負傷しました。

その後は伸肘倒立(しんぴとうりつ)に移行し、これも非常に難しい動作でしたがゼロから始めて約7年かけて何とか完成させました。その7年間で同じ動作を約1万回繰り返し練習した結果でした。

参考までに私の中で1万回という数字には意味がありまして、それは故ブルース・リー氏の名言である「私は1万回の蹴りを練習した者は怖くない。怖いのはひとつの蹴りを1万回練習した者だ」に由来しております。


伸肘倒立は一見するとバランスが重要に見えるのですが、実際は全体重を腕に移動させて肩で支えることのほうが重要です。体操経験者であればそれほどパワーを必要としませんが、一般人の場合は全身のフルパワーを出力しないと倒立の姿勢まで到達できません。

したがって筋肉や関節への負荷が高く、1日に7~8回しか練習できません。それも一日置きにしないと回復が追いつかないことに加え、関節も痛めやすくなります。しかしその結果として週3回の毎回30分の運動量であっても、上記の筋肉量を維持することが可能となっています。

ちなみに私の食生活はお酒をほとんど飲まないことを除けば、一般の方々と大きな違いはありません。またプロテインは体に合わないので飲みませんし、サプリメントは以下を運動前に3個摂取しているのみです。

私は運動生理学者ではありませんが、そもそも10回をワンセットとするトレーニング方法に根拠は無いと考えています。筋肥大を目指すならそれでも良いでしょうが、回数が多くなるとそれに比例して筋肉が疲労します。

しかしトレーニングで筋肉の疲労を感じると、同時に満足感や高揚感が得られることも事実です。この感覚が筋肉増強に直結すると信じがちですが、実際は筋肉疲労を感じなくても筋肉量の増加や維持は十分可能であると思います。

脚前挙
例えば上記は脚前挙(きゃくぜんきょ:L-Sit)と呼ばれる静止運動です。これは太ももや腹筋を含む全身の高負荷運動であり、特にスーツやジャケットを綺麗に着るために必要な、肩周りの筋肉や上腕三頭筋を同時に鍛えることができます。

加えて自宅でもできる運動ですが、その場合は上記のようなプッシュアップバーを使います。ちなみに安価なプラスチック製のプッシュアップバーは安定性が低く、手のひらも痛くなるので避けたほうが無難です。

あるいは床との安定性に注意をすればヨガブロックでも代替可能です。極端に言えば中身が入った角型のペットボトル×2本でも良いのですが、握れるプッシュアップバーのほうが力を入れやすいのでオススメです。

そして目標は、かかとが床に触れないように持ち上げてL字型(90度)の姿勢を3秒間維持することだけです。練習は毎日でも週2回でも、数回でも力尽きるまででも問題ありません。とにかく目標達成までひたすら続けます。

この運動に初めて挑戦すると、かかとが絶望的に床から離れないことがわかります。力の入れ方もわかりませんし、太ももの筋肉がつりそうになります。それでも最低1年間続ければ体型は変化しますし、目標も達成できるかもしれません。

私はトレーニングを続けるために重要なのは目標であると考えております。それは数字であったり、特定の動きができるようになったりすることです。逆に目標を持たないトレーニングはあまり続かないと思います。

なお脚前挙は、体重60kg以下の軽量な方は難易度が低くなります。もし簡単にできたり難易度が低いと感じる場合、脚前挙の2倍は難しい正座姿勢から脚前挙と同様に体を浮かせる運動を試されるとよろしいかと存じます。

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